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借地借家 Archive
更新料支払義務 -2
- 2010年1月19日 00:00
- 借地借家
「更新料支払義務 -1」では,更新料支払条項が消費者契約法に反するか否かの問題を取り上げました。この問題は,借家人が,事業者ではない個人が対象となりますので,借家人が会社等の事業者の場合には,消費者契約法に反して無効になるかどうかという問題は生じません。
では,更新料支払条項は,法定更新の場合にも適用されるのでしょうか。この問題は,借家人が事業者であっても生じる問題です。
通常は,契約期間の満了前に,オーナーと借家人間で,更新合意(更新契約)を締結し,その際に,更新料が支払われるのが通常です。
ここでの問題は,法定更新がなされた場合(例えば,オーナーが期間満了の6か月前までに更新拒絶をしなかった場合や更新拒絶をしていても正当事由がない場合)に,オーナーが借家人に対して更新料の支払いを請求できるか,という問題です。
下級審判例ですが判例は,まずは特約条項の文言によって,法定更新を含んでいるか否かを判断をしているようです。
例えば,「甲乙間に協議が整った場合は契約を更新することができる。この場合,更新料は○○円とする。」とか,「契約期間満了の場合,借家人において更新を希望する場合,更新料として○○円を支払う。」というような条項の場合,更新料は合意更新を前提にしているから,法定更新の場合には更新料は発生しないと判断しています。
逆に,「契約の更新に際して(合意更新,法定更新にかかわらず),乙は甲に対して,更新料として○○円を支払わなければならない。」というように,法定更新の場合にも更新料を支払う義務を明記しておけば,支払義務を認めているようです。
問題は,文言によっては,判断できない場合にどうするかです。この点については,判例も考え方が分かれているようです。
更新料支払義務を肯定する見解は,法定更新も「更新」であることを理由としています。
更新料支払義務を否定する見解は,そもそも法定更新は,金銭的負担なく更新を認める制度であることを理由としているようです。
私は,支払義務否定説がしっくりくる気がします。
オーナーとしては,前記のように,「法定更新」の場合にも更新料の支払義務が発生する旨を明記した契約書にしておくといいのでしょう。
また,法定更新の場合にも更新料支払義務が発生する場合でも,法定更新後の契約期間は「期間の定めのない契約」になります。よって,一度法定更新が生じてしまうと,仮に当初の契約期間が2年でも,その一回分の更新料は請求できますが,その後に法定更新という概念がない以上,合意更新をしない限り更新料の請求は出来ません。
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更新料の支払義務 -1
- 2010年1月15日 22:14
- 借地借家
アパート等収益物件を有する不動産オーナーの方々が,戦々恐々としながら最高裁の判断を待っているのが更新料支払条項の有効性の問題ではないでしょうか。
平成21年8月27日大阪高裁は,更新料支払条項が消費者契約法10条に反し無効であるとの判断をしましたが,同じく大阪高裁で平成21年10月29日に出された判決は,それとは反対に,消費者契約法に反しないとしたのです。
いずれの事件も最高裁にその審理が移っているようですので,いずれ最高裁で結論が下されるでしょう。
もし,更新料支払条項が消費者契約法10条に反し無効,という結論が下された場合,過去の更新料の返還請求が多発することになるでしょう。
ただ,私個人的には,更新料支払条項は有効ではないかと考えています。
どのような結論が下されるでしょう?
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賃貸借契約の損害賠償の予定 2
「賃貸借契約の損害賠償の予定」で、破産法53条解除の場合には、違約金条項が適用されないと考えるのが多数説と紹介しました。
実際,大阪地裁の破産部でも,違約金条項は適用されないという運用をしているようです。
しかし、平成20年8月18日東京地裁判決で、破産法53条による解除の場合にも、違約金条項の適用がある旨の判断がされました。
会社が破産をし、本社や支店の事務所、営業所が賃貸の場合、このような問題が生じることになります。ですので、稀なケースではなく、実務的にもよく遭遇するケースなのです。
すでに東京高裁に控訴されているようですが、早く最高裁で決着をつけてもらいたいと思います。
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家賃の増額請求をされた場合!
家賃の増額請求を家主からされた場合,どうしたらよいでしょう。
増額請求に対して拒否をした場合,家主はこんなことを言うかもしれません。
「応じていただけない場合には,出て行ってもらうしかありませんね。」と。
しかし,家賃の増額請求に応じないからといって契約が解除となることはありません。
ですので,立ち退く必要もありません。
今後の家賃はどうすればいいでしょうか。
基本的には,従前の家賃を支払っていけばいいでしょう。
但し,家主側が提起する家賃増額の裁判で,敗訴をした場合には,差額分も遡って
支払をしなければなりません。しかも,年率1割の利息をつけなくてはいけません。
このようなリスクを回避するためには,家主側に増額請求をする根拠を提示してもらい,
同時に近隣相場との乖離状況等を調査するなどして,その正当性を吟味して,増額
請求に応じるか否かを決めるとよいでしょう。
裁判で決着をつけようと考えた場合,家主の増額請求は拒絶することになりますが,
この場合,家主が従前の家賃額では受領拒否をする場合があります。
しかし,受領拒否をされたからと言って,家賃の支払いを全くしないと,家賃の不払いを
理由に契約が解除されてしまいますので,このような場合には,家賃を供託する必要
がありますので,注意が必要です。
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賃貸借契約の損害賠償の予定
「損害賠償の予定」という条項が契約において非常に有効だということを以前説明しました。
建物賃貸借契約書にも,同様の条項がよくあります。違約金条項などと呼ばれていることもあります。
例えば,
契約期間の途中で,甲が本件契約を解約しようとする場合,6か月前に解約予告をしなければならない。即日解約をする場合,6か月分の賃料相当の違約金を支払わなければならない。
という条項です。
しかし,気をつけなければいけないのは,破産法(その他の倒産法もほぼ同様)には,通常の解約とは異なる倒産法独自の解除権があります。しかも,これは破産管財人にしか認められていませんので,その相手方には解除権がありません。
そして,破産管財人に,この独自の解除権を行使された場合,先の違約金条項の適用があるのか,という問題になるのですが,その条項の適用はないと考えるのが多数説のようです。私も,同感です。
ですので,破産管財人が独自の解除権行使をした場合,理論的には6か月の賃料相当の損害金は請求できません。ということは,これと敷金や保証金との相殺(充当)ができないということになりますので,敷金や保証金に,未払賃料と原状回復費用を控除した残金がある場合には,破産管財人に返還する必要があります。
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change of Control条項
敵対的買収を防止する観点から,重要な取引先との契約に,チェンジ・オブ・コントロール条項(支配権移動条項)を盛り込むことがあります。
これは,会社の株主構成や役員に変更が生じた場合,契約内容を変更します,という内容の条項です。
本来会社は,会社という法人格を有した一法主体であるため,株主が変更されようが,役員が変更されようが,契約には何ら影響を及ぼさないのが原則です。
しかし,そうは言っても,やはり法人格の背後にいるのは人であり,その人の個性が重要な影響を持っている場合あります。
それを,契約によって,株主や役員といった支配力に変更があった場合に,契約内容を変更する(期限の利益を喪失させたり,解除権を発生させたり)ことができるようにするのです。
「敵対的買収」なんて言うと,上場会社やテレビの話で,関係ないと思われるかもしれませんが,このチェンジ・オブ・コントロール条項は,M&A以外の場合にも有益です。特に,中小企業は,法人格というよりも,社長の個人商店的な意味合いが強いのですから。
例えば,テナント用の店舗賃貸借契約書において,通常,どのような賃貸借契約書においても,
第○条 乙(賃借人)は,本件賃借権を甲(賃貸人)に無断で譲渡・転貸してはならない。
という条項があるはずです。
しかし,
では,この乙の株式を全部取得して,中身が全部入れ替わった場合はどうでしょう?
形式的には,単に乙の株主の構成が変わっただけで,賃借権の譲渡にはなりません。
しかし,もう実体は,以前の乙ではないのです。変わらないのは,「乙」の商号だけです。
このような場合,オーナーである甲は,一定の制約を課しておきたいですよね。
このような場合に,このチェンジ・オブ・コントロール条項が非常に有効となります。
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借地権の名義変更料と相続
借地権(建物の所有を目的とした賃借権等をいいます。)を第三者に譲渡する場合に,名義変更料が問題となります。
これは,本来,賃貸借契約というのは継続的な契約関係を前提とするため,貸主と借主の信頼関係を基礎とします。ですので,賃借人が勝手にその権利(借りる権利)を他人に譲ることは法律上禁止されています。そのため,権利を譲るためには,賃貸人の承諾が必要になるのです。この承諾をする際に,「名義変更料を支払えば承諾します」という趣旨で名義変更料を賃貸人から請求されるのです。
しかし,相続によって借地権を取得した場合には,別です。
相続の場合には,法律上,賃貸人の承諾は必要とされません(実際は,相続の場合にも承諾を必要とすべきかと思いますが…)。ですので,法律上,当然に賃借人の権利(借りる権利)も相続人に移転します。なので,名義変更料も不要なのです。
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