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弁護士 Archive

勤務弁護士の募集は終了しました。

勤務弁護士の募集は終了しました。

なんとか採用がきまりました。

ただ,
わけあって,新人弁護士は現在紹介できません...。

追って紹介します。

明日の「朝ズバ」

  • Posted by: Yasuyuki Maeda
  • 2012年2月23日 18:01
  • 弁護士
明日の朝6時15分?17分くらいにTBSの「朝ズバ」という番組で当事務所の「ワンコイン法律相談」というサービスが紹介されるみたいです。

特に取材はされていませんので,HPや写真のみのようですが。

勤務弁護士募集

  • Posted by: Yasuyuki Maeda
  • 2012年1月30日 19:25
  • 弁護士

勤務弁護士を急遽募集することにしました。

 

専ら新旧64期で就職先が見つかっていない方が対象になると思われますが,それ以外の方でももちろん構いません。

 

募集枠は1名です。

 

応募される場合,

□ 履歴書

□ 職務経歴書

□ パソコン等ITに関する知識,経験,能力の有無及び程度を具体的に記載した書面

□ 修習中における民事系の起案2通のコピー

を事務所宛(231-0007 横浜市中区弁天通4?53?2 DOMONビル3階  MAEDA YASUYUKI法律事務所宛)送付してください。

 

基本的な条件は次のとおりです。

勤務日: 月?金

勤務時間: 午前9時?午後5時

休暇: 法定年次有給休暇,年末年始(12月29日?1月3日),夏季休暇(7月?9月の4日間)

給与: 基本給20万円以上

個人事件: 「個人事件」は不可です。但し,「個人事件」と評価される事件は,着手金乃至報酬の10%相当額を6月及び12月給与支給時に加算又は賞与として支給。

会費等の負担:弁護士会費,名刺,職印は事務所負担(その他は相談)

福利厚生: あり

氏名冒用訴訟 6

一方のC弁護士は...。
3か月か6か月の営業停止という懲戒処分となりました。

C弁護士は,この懲戒手続中,弁護士会に対して,
「Aの依頼を受けていた」と反論していたようです。その理由として,「そもそも予告登記がされることは当然分かっていた。だから,Aにばれずに氏名冒用訴訟なんてできるわけがない。」というもののようです。
 これ自体とても消極的な理由なのですが,しかし,本当にC弁護士は予告登記を分かっていたでしょうか?知っていたとしても,それを忘れていた可能性がとても高いです。なぜなら,予告登記がなされる場合,登記用の当事者目録や物件目録を裁判所に提出するなどの手続が必要なのですが,C弁護士が提出した訴状にはそれらが添付されていなかったため,書記官がC弁護士に対して,これらの追完(後から提出すること)を求めている記録が残っていたからです。


ところで,なぜこのような氏名冒用訴訟が可能だったのでしょうか。

何か重大なことを代理人でやろうとする場合,本人が本当にその代理人に代理権を与えたのか,本人の意思がとても重要です。どのような場面でも「委任状」ぐらいは求められるでしょうが,更に,委任状に押す印鑑も実印が求められ,印鑑証明書の提出を求められたりすることもあります。もっと慎重に事を進めようとすれば,本人に直接会ったりして,本人から直接,代理人に代理権を与えたか否かを確認をする必要があるでしょう。

ところが,裁判では,訴訟手続というとても重大な行為をするにもかかわらず,訴訟委任状という書類に印鑑さえ押されていれば(しかも,それは三文判でもいいのです。),裁判所はそれ以上のチェックはしません。実印を押すことや,印鑑証明書の提出も求められません。ましてや,裁判所が,本人に電話連絡をして,「本当に○○弁護士に委任しましたか?」などと意思確認をすることもありません。それは,弁護士が裁判所からある程度信頼されているからなのでしょう。

しかし,弁護士の数も多くなってきたり,昨日のニュースにあったような「ニセ弁護士」の事件がでてきたりすると,もう弁護士だからといって信用されなくなってくるでしょう。
訴訟委任状には実印を押して,印鑑証明書も添付するようにと裁判所から要求される日も近いのかも。

氏名冒用訴訟5

C弁護士「いやいや,先ほどはびっくりしましたよ。 ところで,あの訴訟はどうしたのですか。」
ボス「追認して、訴訟は維持しました。でも、和解はしていません。」
C「この訴訟は私が起こしたので、取り下げたらいかがですか。」
ボス「取り下げませんよ。ところで、先生。この訴訟、誰の依頼だったのですか?Bから依頼を受けたですよね? 正直に応えて頂ければ,今回の件,不問に付します。」
C「なんでそんなこと答えなければいけないんだ。」
ボス「だから,正直に応えて頂ければ今回の件、不問に付します。協力していただけませんか?」
C「そんなこと答える必要ない。」(電話を切る)

私は,すぐに仮処分の申立書を起案しました。
氏名冒用訴訟をされたことを主張立証した結果,裁判所も処分禁止の仮処分決定をだしてくれました。
この仮処分を出す前に,裁判官との面接があるのですが,その面接で,裁判官も「よかったですね。1日前に発覚して和解を阻止できて。」と言ってくれて。

本案訴訟(C弁護士が提起した訴訟で,我々が追認をした訴訟)の第2回口頭弁論期日では,裁判官から
「しかし,氏名冒用訴訟はひどいねぇ。被告Bは,適当な金額で和解したらどうですか。」という和解勧告がありました。
Bの弁護士「はっ。前向きに検討します...。」

この裁判官の一言がきっかけとなり,その後,私とBの弁護士間で和解交渉をし,結局,AがBに対して700万円を支払い,BはAに対して,自宅土地建物と店舗土地建物の二つの物件双方とも返還するという内容の和解をしたのです。Bは実際には,300万円しかAに貸付をしていないので,700万円でも渡しすぎなのですが,実際,AB間の売買の効力を真剣に争った場合,敗訴リスクも十分(というか,敗訴する可能性が高い。)ありました。しかも,300万円は借りたお金ですからね。ですので,実質400万円の出費で1億円近い自宅と店舗の双方の不動産が戻ってきたことになりますので大成功でした。

しかし,あのA母の電話がなかったらどうなっていたか...。恐くて想像できません。

一方のC弁護士は...。

(つづく)

氏名冒用訴訟 4

翌朝9時45分頃,横浜地裁の○○号法廷。

当時,横浜地裁は建替中で,少し離れた場所にある横浜家庭裁判所の駐車場に建てられた仮庁舎でした。

○○号法廷の傍聴席入口の扉は開放されており,中をのぞくことができました。

被告席側の傍聴席に金貸しBが座っていました。Bは法廷の外にいる私たち3人を見つけ,目をまん丸くし,明らかに動揺していました。そして,Bは,原告席側の傍聴席に移り,原告席側の傍聴席に座っていたC弁護士の耳元で何かを囁きかけていました。

それと同時に,ボスがC弁護士に話しかけたのです。
ボス「すみません。C弁護士ですよね。ちょっと,お話があるので,法廷の外の待合室にいいですか。」

待合室にて
ボス「先生。失礼ですが,この裁判,誰から依頼を受けてやっているのですか?」
C「え?...」
ボス「先生。私の横に立っているのがAですよ。」
C「え?...!......。でも,実印をついた委任状があるぞ...(震えた手で記録をパラパラめくっている)...。あぁ,横浜の麻雀屋で会っただろう。」
A「会ってないよ!」
(パラパラめくっている記録から「和解条項(案)」が見える。)
ボス「今日,和解成立予定なのですか?」
C「うん。自宅は返して貰い,お店は向こう(金貸しB)にという内容だから,なかなか良い和解案だと思うよ。」
ボス「そういう問題ではないでしょう。 先生。先生の名誉のために,この事件,自ら辞任してください。」
C「なんで辞任しなければいけないんだ。」(顔が真っ赤になる)
ボス「いや。先生の名誉のためです。辞任してください。」
C「辞任なんかしない。...」

「すみません。AさんとBの事件が始まりますので,法廷にお入り下さい。」
書記官がC弁護士を呼びに来たので,C弁護士は法廷に戻ってしまいました。

法廷内
裁判官「C弁護士。この事件は色々あるようですが,どうされますか。」
C「ちょっと,色々あるので,...。とりあえず本日の期日は延期して下さい。」
裁判官「でも,Aさんから先生の解任届けが提出されてるのですが...。」
C「えっ!......じゃ,辞任します。」
C弁護士は,これを言って逃げるように法廷から去ってしまいました。

私たちは,事前にA名義で裁判所宛に,経緯とC弁護士が無権代理である旨を記載した上申書と,念のために解任届けを提出しておいたのです。

裁判官「(法廷の傍聴席で立っていた我々3人に向かって)この事件はどうしますか?」
私「Aから我々が訴訟委任状をもらっているので,今,訴訟委任状を提出します。そして,この事件を追認して,訴状を陳述します。」
Bの弁護士「なんか,複雑な事情があるようですが,とりあえずこの訴訟は取り下げして,仕切り直しされたらいかがですか。」
私「いえ。追認して,この訴訟は維持します。印紙代もったいないですから。」

そもそも無権代理人(C弁護士)が起こした訴訟提起等の訴訟行為は,無効と考えられています。
ですが,無効な訴訟行為であっても,本人(A)がそれを後からでも認めれば(「追認」といいます。)有効な訴訟行為になるのです。
私達は,事前にAから訴訟委任状をとり,C弁護士が辞任又は解任で降りた後に,訴訟委任状を裁判所に提出し,そして,この訴訟提起自体は「追認」して,この訴訟を維持しようという作戦を練っていたのです。
訴訟提起をする場合,訴状に決められた金額の印紙を貼らなければいけません。本件では,1億円近い不動産に関する訴訟でしたので,その印紙代も20万円近く必要でした。追認をすれば,この20万円近い印紙をそのまま使えるし,私が訴状を起案しなくてもいいというメリットだらけだったのです。
この印紙代を誰が支払ったのか(Bなのか,C弁護士なのか)わかりませんが,当然,後から返せとは言われることはないですよね。

更に,追認をする一番の利点は,このような氏名冒用訴訟をやられたということを,裁判官の目の前で暴いたので,その裁判官にこの事件を処理して貰える(有利に斟酌される)ということでしょう。

金貸しBは,AがBに訴訟を起こしたように装い,和解を成立させてしまおうという魂胆だったのでしょう。ところが,その訴訟手続を,本物のAにいいように利用されてしまったので,Bについていた弁護士さんも,
「無権代理の先生が起こした訴訟を追認するなんて,いかがなものかと思いますが。取り下げしたらどうですか。」
と,しきりに訴え取下をさせようとしていたのです。

作戦どおりにことが進んだので,ものすごい達成感に充たされて裁判所を後にすることができました。
ボスも,「17年弁護士やっているが,こんなことは初めてだよ。」と少し興奮していました。

事務所に戻ると,ボス宛にC弁護士から電話がありました。
C弁護士「いやいや,先ほどはびっくりしましたよ。」

(つづく)

氏名冒用訴訟 3

翌朝一番,横浜地裁の事件受付係に電話をしました。

私「訴状提出が平成○年○月○日で,原告A,被告Bの事件はありますか?」

受付「ありますね。」

私「事件番号と係属部を教えて下さい。」

受付「事件番号が平成○年(ワ)第○○号で,係属部は,第○民事部ですね。」

 

更に,係属部に連絡をいれました。

私「平成○年(ワ)第○○号,原告A,被告Bの事件ですが,現在の進捗を教えていただけますか。」

書記官「明日が第1回期日で,明日和解成立予定のようですね...」

私「...え?...。今すぐに記録閲覧に行きます。」

 

直ぐに横浜地裁に行き,記録を閲覧したところ,

やはりAが原告になり,金貸しBを被告として,「所有権移転登記抹消登記請求事件」を提起していました(要は,AからBへの不動産の名義変更を取り消せ!という裁判です。)。ただ,Aの代理人になっているのは,私ではなく,東京のC弁護士でした。

弁護士が依頼者の代理人となって訴訟をするときは,必ず「訴訟委任状」という委任状を提出しているはずです。ですので,訴訟委任状を確認しました。

《...やっぱり。》

通常,弁護士が用いる訴訟委任状というのは,各弁護士が所属する事務所の所在地や電話番号,FAX番号,弁護士名,更に,定型の委任事項が予め印刷されている書式を用いています。

ところが,この記録に綴じられていた訴訟委任状は,確かに,Aの署名と印鑑が押されていましたが,文房具屋で販売しているような通常の「委任状」の書式に,手書きでC弁護士の事務所所在地,電話番号,C弁護士名,委任事項が記載されていました。委任状のタイトル部分には,印刷されている「委任状」という上に手書きで「訴訟」と書き加えられているのです。

怪しい臭いがぷんぷんする訴訟委任状でした。

 

直ぐに事務所に戻り,ボスに,

「Aが金貸しBに訴訟提起していました。」

と説明したところ,ボスは開口一番,

「仕方ない。じゃ,辞任しよう。」というのです。

「えっ!?」

《ああ,そうか。ボスは,Aが東京の弁護士に二重に委任をしたと勘違いをしたのか...》

「いや,そうではなくて,たぶん,C弁護士は無権代理です。使われていた訴訟委任状は,たぶんAがB金貸しに事前に渡していた白紙の委任状をつかったものに間違いないです。」

事情を把握したボスは,

「いま直ぐにAを事務所に呼んで確認をしよう。」

 

弁護士は,依頼者の代理人となって行動をすることがほとんどなのですが,その前提として,当然,依頼者からある事件について代理人となることを了承してもらっています。このことを「代理権の授与」などといいます。しかし,本人から代理権を授与されていないにもかかわらず代理人として行動していることを「無権代理」と呼びます。

C弁護士は,Aの代理人として行動をしている(訴訟を提起している)のですが,C弁護士がAの代理人になることについて,Aの了承をもらっていない可能性が高かったのです。

 

1,2時間後ぐらいに事務所に来たAに,「全国弁護士大鑑」(全国の弁護士の写真入り名簿)でC弁護士の写真を見せました。

私「この弁護士知りませんか。」

A「知らない。」

私「この弁護士に何か事件を依頼していない?」

A「いや知らない。」

私が,これまでのいきさつと事情を説明したところ,

A「僕はバカだけど,二重に弁護士を依頼するほどバカではない。絶対にC弁護士なんか知らないし,C弁護士に何も依頼していないので,信じて欲しい。」

私とボス「わかった。信じる。」

 

C弁護士が起こした訴訟の第1回口頭弁論期日は明日の午前10時でした。しかも,書記官の話しによれば,なんと第1回目の期日で和解成立予定とのこと。第1回期日で和解が成立することもなくはないですが,通常はないです。

私から担当の書記官には連絡をいれ,簡単に事情を説明しておき,とにかく明日の10時,私とボスとAの3人で横浜地裁の法廷に行こうということになりました(多少の作戦は考えてましたが)。

 

(つづく)

氏名冒用訴訟 2

もう10数年前の話です。

当時勤務弁護士(居候弁護士。略して「イソ弁」)だったのですが,私は,ボスからある事件の処理を任されました。依頼者は,親子でした。親子といっても子供は40歳代ぐらいの成人男性(A)と,高齢の母親(A母)でした。AとA母の話によると,Aは,亡父からの相続で,自宅土地建物と貸店舗不動産の双方を取得していたのですが,その不動産を狙った悪い輩に夜な夜な遊び場に連れて行かれ,少額の遊ぶ金をその悪い輩から融通して貰っていたようです。そして,更に遊ぶ金欲しさや,その少額の金を返済するために,金貸し(B)を紹介され,わずか300万円を借りただけなのに,金貸しBに自宅と貸店舗双方を取られてしまったのです。実印,権利証,印鑑証明書等の大事な書類等もその金貸しに言われるがままに渡し,売買契約書や,領収書や,白紙の委任状等に何通も署名捺印をしたようです。

すっかりお手上げ状態でした。
まだ弁護士なりたてだった私は,依頼者からの相談を受けながら,「こんなの助けられっこない!」と思っていました。
案の定,相談者は東京のいくつかの法律事務所を周り,どこの弁護士からもサジを投げられていました。
当然,私のボスも相談者の依頼を断るだろうと思っていました。
しかし,ボスは依頼を受けたのです。

相談者が帰ったのち,
私 「こんな勝てない事件なぜ受けたんですか。」
ボス 「うちが受けてあげなければ,誰が(彼らを)助けるんだ。可哀想じゃないか。」
私 《でも,助けられないよ...》(心の声)
というやりとりがありました。

当初の我々の方針は,自宅と店舗建物をとった金貸しBと示談交渉をするというものでした。本来であれば,筋の悪い金貸しB相手に示談交渉は好ましくないと思うのですが,裁判で戦うにはあまりにも証拠がなさすぎでした。逆に,相手は,訴訟で勝つのに充分すぎるほどの証拠を持っていたのです。
その金貸Bは,300万円程度の金を貸したにすぎないにもかかわらず,各4000万円合計8000万円程度の評価はある不動産を入手したのですから,300万円プラスアルファを支払うから,不動産を返せという交渉をしていました。

しかし,Bも強気で,法外な金額を突きつけてきたのです(いくらか忘れてしまいましたが,数千万円だったような...)。電話で金貸しBと話しをしていたボスは,怒り,「じゃ仕方ないですね。裁判所でお会いしましょう。」と言って受話器をたたきつけていました。それと同時に私に対して,「じゃ,仮処分の申請頼むよ。」と。

仮処分というのは,正確には「処分禁止の仮処分」というものですが,本来の訴訟をする前の前哨戦のようなものです。「これから『この不動産はAのものだから名義を返せ!』とBを被告として訴訟をする予定ですが,その訴訟中にこの不動産の名義がBから第三者に移転されてしまうと意味がなくなってしまうので,Bが名義を第三者に移せないようにして欲しい。」と裁判所に申立をするのが,「処分禁止の仮処分」です。
この仮処分をするにも,訴訟で勝てる見込みがないと認められません。つまり,AがBには不動産を売却していないとか,売却していたとしても,それは詐欺や錯誤で無効だということがある程度証明されなければいけないのです。

何も証拠がなかったので,仮処分は認められないだろうなと思い,私の処理も少し消極的だったかもしれません。そのため,仮処分申請の準備もなかなか進みませんでした。
そんななか,A母から連絡がありました。
A母 「その後,進捗いかがでしょうか?」
私 《しまった。まだ手を付けられていない...》
   「先日登記簿謄本等の資料が揃いましたので,申請書の準備にとりかかります。」
  《本当はもう少し前に揃っていたけど...》。
   「ええと,登記簿を見ると,......む?......あれ?......??ちょっとすみません。一旦電話を切らせていただきます。直ぐに電話をし直します。」

登記簿謄本というのは,不動産の所有者や担保設定状況など,不動産に関する権利関係が記載された書類なのです。この登記簿には,所有者の履歴も記載されているので,Aの父親からAに相続で名義が移ったこと,Aから金貸しBに売買で移転したことが記載されているのです。だから,最終の名義人(所有者)はBであることが登記簿を見て分かるのです。
ところが,AからBへの所有権移転登記の後に,「予告登記」という見慣れない登記がついていたのです。

予告登記というのは,「これはB名義になっているけど,AとBの売買に問題があるからAがBに訴訟を起こしましたよ。だから,この不動産はBのものではなく,Aのものになるかもしれませんよ。だから,Bからこの不動産を購入する方は注意して下さい。」という意味の登記です。訴訟を起こされた裁判所が,職権で,法務局に嘱託をして登記されるのです。つまり,この予告登記は,AはBに訴訟を提起しているという事を意味しているのです。(今は,予告登記という制度は,不動産登記法の改正でなくなりました。)

私は,A母との電話の最中,
《あれ,訴訟なんか提起したっけかな? 忙しかったのに,その隙を見つけて訴状提出したのかな?ん?でも,仮処分の申請もしていないよな?......っていうか,訴状を起案した覚えがないな...。》
とパニックになっていました。

A母との電話を切って冷静に考え直し,少なくとも私は訴状を提出してないことはハッキリしました。しかし,予告登記の横には,「平成○年○月○日 横浜地方裁判所訴え提起」と記載されていましたので,Aが訴訟を提起したらしいということはわかりました。ただ,A母からの電話は,すでに夜9時頃でしたので,裁判所にも確認できませんでした。

私は,早く真相を解明したいと思い,翌朝一番に,横浜地方裁判所に行って記録の閲覧をしたのです。

(つづく)

Continue reading

氏名冒用訴訟 1

ご無沙汰しております。
かなりさぼっていました。

氏名冒用訴訟ってご存じですか?
BがAになりすましてAの名前で訴えを起こしたり,Aが訴えられているにも関わらず,BがAになりすまして被告として活動していたりするような場合を,氏名冒用訴訟と言います。

民事訴訟法を勉強すると,「当事者の確定」という問題があるのですが,ここで「氏名冒用訴訟」という言葉がでてきます。「当事者の確定」とは,訴訟上の当事者が誰か,という議論なのですが,先の例で言うと,
前者の例では,
 訴状に記載されている原告はAだけど,実際原告として活動しているのはB
後者の例では,
 訴状に記載されている被告はAだけど,実際被告として活動しているのはB
というように,訴状に記載されている当事者と,実際に活動している者が異なるような場合,誰が原告と被告なのかという問題なのです。

判例通説は,訴状に記載されている者が当事者と考える「表示説」を採用していると言われています(ざっくりした結論ですから,司法試験等のために民事訴訟法を勉強されている方は,きちんと基本書等を読んでください。)。
一般の方は,なんでこんな議論をしているのか,全く理解できないかもしれませんが,例えば,判決の効力が誰に及ぶのかという問題に関連します。判決の効力は,当事者(原告と被告)に及ぶのが原則ですから,当事者は誰かという問題が生じるのです。先の例でいれば,「表示説」によれば,全く訴訟に関与せず,訴状に記載されていただけのAが当事者として判決の効力が及んでしまうことになります。Aにとって有利な判決ならいいのでしょうが,通常は,そうではありません。では,Aは訴訟に全く関与していないのに,不利な敗訴判決の効力が及んでいいのかという問題を考えなければいけません。

ただ,このような話しは現実には全くない机上の議論だけと思っていました。

しかし,実際にあったのです。氏名冒用訴訟が。
10数年弁護士やってきましたが,やはり一番印象に残っている事件がこの事件です。

久しぶりの更新なので,疲れました。続きは次回にします。

弁護士バー

  • Posted by: Yasuyuki Maeda
  • 2009年11月30日 22:42
  • 弁護士

本日の産経新聞社会面に掲載されていた記事です。


東京のある弁護士がバーテンダーになって酒を振る舞いながら法律相談もする「弁護士バー」を計画したところ、弁護士会から"待った"がかかったようです。


記事によれば、会社勤めの社会人が仕事帰りに立ち寄りやすいバーで、弁護士自らがバーテンダーとして酒を提供し、客の要請があれば別室等で法律相談を行うことを飲食事業者と共同で計画したようです。


ところが、これに対して、日弁連が「民間が入っての営利目的の弁護士仲介業にあたり、弁護士法に抵触する」と問題視し、弁護士会も「顧客が弁護士に法律相談をすることを容易にする時点で事実上の仲介業務」と指摘しているようです。


弁護士法では、弁護士の仲介業務を含む法律事務の取り扱いは、弁護士(弁護士法人)にしか認められていないのですが、...どうでしょうか?


計画した弁護士は「あくまでも弁護士と顧客が直接やり取りをする場の提供であって、法律事務の仲介にはあたらない。何がだめなのか基準をはっきりと示すべきだ」と反論しているようですが、私ももっともだと思います。


国民に司法をもっと身近に感じてもらい、垣根を低くして司法に気軽にアクセスできるようにしようというのが司法制度改革の根本的な目的だったのではないでしょうか?
だとすれば、弁護士の垣根を低くし、気軽にアクセスできる一つの方法として「弁護士バー」は、とてもおもしろい方法だと思います。


「顧客が弁護士に法律相談をすることを容易にする時点で事実上の仲介業務」だとすれば、いろいろなケースで、「法律事務の仲介業務」に該当する場面がありそうです。
顧問先の不動産会社のお客さん向けに、無料法律相談会を開催し、会社に場所代を支払うのはだめなのでしょうか?


ただ椅子に座って、仕事を待っている従来の殿様商売的な仕事の方法ではなく、頭をひねって、皆がやらないようなことを考え、経営努力をしている弁護士の足を引っ張るのはいかがなものかと。

YOUTUBEで発見。

先日,NHKで放映された映像がYOUTUBEにありました。 インタビューされたのですが,全く放映されませんでした(^_^; よかったような...,さびしいような...。

NHKの取材受けました。

  • Posted by: Yasuyuki Maeda
  • 2009年9月20日 11:46
  • 弁護士

最近,ずっと土日も仕事です。

土日は,短パン,Tシャツという姿なのですが,
今日は,
 スーツです。
しかも,いつもはしていない弁護士バッジまでつけて。

なんと,
今日は,NHK「おはよう日本」の取材でした。

今までずっとカメラの前での取材を断り続けていたのですが,
説得されてしまいました。

TVカメラの前だと緊張します。
顔が引きつって,ろれつが回っていないのがわかりましたよ。
恥ずかしー!
見たくねー!!

9/28AM5:30-6:00での放映のようです(早っ!)。

ワンコイン法律相談 6/1から開始

  • Posted by: Yasuyuki Maeda
  • 2009年5月22日 22:34
  • 弁護士

私のHPに,長期に亘って「準備中」と放置されている「ワンコイン法律相談」をやっと開始します。

6/1からです。

「ワンコイン法律相談」のメリットは
1 メールで法律相談ができる(通常,法律事務所等にいかなければならない)。
2 安く法律相談ができる(通常,30分5000円が相場)。
3 直ぐに法律相談ができる(通常,予約が必要)
4 匿名で法律相談ができる
    (通常は,当然,氏名,住所,連絡先等の情報が必要)。
という点をあげられます。

ただ,メールでの法律相談なので,限界はありますが...。
また,初めての試みなので,色々と障害や問題はあるかと思います...。

決済方法は,ビットキャッシュという電子マネーになります。

SEのN君頑張ってね。
もう,告知しちゃったからね。

裁判員裁判

とうとう来月から裁判員裁判が始まります。

当初,私はこの裁判員裁判について消極的でした。
理由は,刑事裁判を何も知らない素人が,裁判してはまずいのでは,という単純な感想からです。

また,人の意見を余り聞こうとせず,また,今まで培ってきた独自の考え方を有している裁判官が,何も知らない一般の方と,まともな議論をすることはできないのでは?という思いもありました。

しかし,今は考え方が変わりました。
刑事裁判の裁判官」で指摘したとおり,今までの刑事裁判には問題がありすぎたと思います。
この刑事裁判が少しでも変わる可能性があるのですから,どんどん裁判員制度を使うべきではないか,という考え方に変わりつつあります。

弁護士としても,今まで疎外感を感じていた刑事裁判において,自分の力量が試されるのですから,モチベーションあがるのではないでしょうか。
法律にすれていない裁判員を説得できればいいのですから,プレゼン技術がものをいうことになるわけです。

法廷映画ではありませんが,アルパチーノの「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」という映画の最後のシーンにでてくるような弁護活動ができれば,裁判員の心を動かせるかもしれません。

ただ,この裁判員制度は,殺人や強盗殺人といった重い犯罪にしか用いられません。
裁判員制度の適用は,犯罪の軽重ではなく,先日最高裁で無罪判決があったような「痴漢事件」のように,事実関係が争われているかどうかで適用を決めるのがいいかと思いますが,どうでしょう。

急募 アルバイト!

すごーく忙しいので、事務&秘書のアルバイト募集してます。
どなたかいらっしゃいますか?

法曹増員ペースダウン

  • Posted by: Yasuyuki Maeda
  • 2008年7月29日 22:32
  • 弁護士

少し前のニュースですが,日弁連が、法曹の増員計画(2010年までに毎年3000人とする計画)についてペースダウンを求める提言を発表しました。

「やっぱり」といった感があります。確かに、ここ数年の法曹の質の低下は著しいと感じます。これは、私個人の感想ではなく、周りの弁護士が皆口をそろえて同じ感想を漏らしています。
また、就職難が著しいようです。今年の10月に卒業をする司法修習生が未だに就職先が見つかっていない状況のようです。

本当に、フィクションの世界と同じになってしまうかもしれません。


司法占領

超〜きもちいい〜。

本日,長期に亘って継続していた事件の最後の証人尋問がありました。

敵性証人に対する反対尋問だったのですが,こんなに反対尋問が成功した(と思われる)のはなかったのではないでしょうか。

北島選手のマネになってしまいますが,

「超〜きもちいい〜。」

証人尋問テクニック

  • Posted by: Yasuyuki Maeda
  • 2008年5月26日 22:58
  • 弁護士

昨日から,長崎入りしています(珍しく雨降ってません。)。

明日の証人尋問の準備をしていますが,この証人尋問の準備は,何回やっても胃が痛くなります。

こちら側が申請した証人に対する尋問は,事前にある程度シミュレーションができるのでいいのですが,敵性証人に対する尋問を考えると胃が痛くなります。

証人の証言を前提すると,論理的にあり得ない矛盾した事実がある
など
証人の証言の矛盾点をつき,証人が嘘をついているということを法廷で露呈させられれば,完全な成功ですが,なかなか難しいですね。

デスノートのLだったら,こんな証人尋問は楽勝なんでしょうね!
Lとライトの会話を参考に勉強をしてみます。

訴状5本

  • Posted by: Yasuyuki Maeda
  • 2008年5月 5日 22:44
  • 弁護士

平日は,電話の対応,法廷への出廷,細々とした書類の作成に追われ,2,3時間連続して集中するという時間がなかなかできません。

ところが,訴状や準備書面を起案しようとすると,やはり数時間連続して集中しないとできません(他の弁護士は,細切れの時間でもできるのかも知れませんが。)。

そうすると,やはり平日夜や休日という電話がかかってこない時間を狙って,書面を作成するしかなくなります。

というわけで,本日は,GWですが,事務所で訴状5本起案しました。

本当は,あと1本準備書面を起案したかったのですが,間に合いませんでした…。

弁護士の財産

  • Posted by: Yasuyuki Maeda
  • 2008年4月30日 23:56
  • 弁護士

少し前まで,弁護士の財産は,「自分の知能だ。」などと自惚れた勘違いをしていました。

今頃になって,自分の財産は,「人」だと気付きました。

私の顧問先,クライアント,学生時代や受験時代の仲間(同期,先輩,後輩),私を信頼して仕事を紹介していただける方々,皆,私の財産です。

今頃気付くのも遅いのですが,本当に感謝,感謝です。

今後もよろしくお願いします。


明日から,また,法律情報とくだらないことをアップします。

嫌われ者

本日の朝日新聞朝刊にこんなジョークが載っていました。

「テロリストが『言うこと聞かないと,人質にとっている弁護士を1人ずつ社会に放つぞ』と脅した。」

この手のジョーク(しかも弁護士関係),アメリカにはたくさんあるようです。

「道路上の犬の死体と弁護士の死体の違いは?」
「犬の死体の前にはブレーキ痕がある。」

など。

この新聞記事では,弁護士の数が増えすぎたアメリカでは,弁護士が迷惑な存在になっていることを象徴するジョークとして紹介されています。

まだまだ弁護士の数がアメリカに比べて少ない日本でも,既に弁護士は嫌われ者の部類にいるような気がします。

弁護士が嫌われる要因はいくつかあると思います。
とりあえず,嫌われないために,敷居を低くし,かつ,そのように感じてもらえるようにします。

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